シネマスナイパーF

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

-
頭脳というフォースで、彼らはジェダイとなるか、それとも闇落ちするのか
負け犬立ち上がり系映画の新たな傑作の登場だ!

非常に高い学力を持ちながら、生活面で大きく割りを食う者たちが、その真逆の連中に買われた…いや、逆に利用してやっているのは奴らの方だぜ
真に勝利するのは能力のある人間だと証明するために、彼らは戦いに出向く


劇中のリンやバンクの気合いの入り方の通りの出来で、作っている方も相当気合が入った作品であることが伝わってくる
鉛筆を剣のように持って歩く姿を見て、おいおいノリノリだな!と思いました

緊張感を煽る演出が見事で、音による脅し、カットバックによる追い詰められている緊迫感など、オーソドックスながら確実でドンピシャな演出が続く
また、作戦の説明シーン、準備シーン、そして強キャラが満を持してスローモーションで登場するシーンなど、これ本当に学園モノかよと思うぐらいの熱い展開の連べ打ち
単純にエンターテインメントとして超アガる作品


この作品が凄い部分は、勿論それだけじゃない
人生懸けて努力している者たちが、のうのうと生きていける人間に対して怒り狂い、自分の威厳のために戦う様子を、薄っぺらい友情や上下関係に塗れた所謂青春ドラマとしてパッキングしたところが更に凄いと思う
その上に、学歴で成り上がる道しかない者たちの苦しい現実を乗せ、最後には、真に価値のある勝利、人生とは何か?を問いかけてくる
娯楽として隙がないよコレ


思えば、オープニングから尖りに尖っていました
肩入れしにくい題材でありながら、適宜事情聴取の様子が挟み込まれ、ちゃんと配慮した造りになっていますし、それも後々計画の一環だったと分かる
鏡越しの大量の自分の中、誰を選ぶかは自分次第だ!傑作!!!!!