ワンダフルデイズモーニング

左京区ガールズブラボーのワンダフルデイズモーニングのネタバレレビュー・内容・結末

左京区ガールズブラボー(2017年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

僕は左京区という街に行ったこともないし思い入れもないし、インディーポップに詳しいでもないので、SNSでその辺のことが取り上げられていても「わ、わかりましぇん…」としか言えないのですが(シャツにバンパイアウイークエンドって書いてある、くらいしか)、そこじゃなくてシナリオ構成が本当に素敵!!!

〈沢山あるけど特に好きなシーン〉

・黒髪が動き出すキッカケがピンク髪の姿に影響を受けているところ。(超えてしまう感じ〜〜!!)

・自転車に乗ってないのが黒髪の方であるということ〜!!つまり黒髪はもう自分の足で歩いている〜〜〜!!

・結局ピンク髪の方が最後までなにも始まらず、自転車(自分の足でない)でのろのろとあてもないように走り出す。それをカメラがずっと見守るように映していること〜〜!!そのまま終わる〜〜〜!!


なぜシナリオ構成の良さのことは話題にならないのだろう?
夏休みの女子2人がすれ違うっていうネタはベタと言ってしまえばベタだけど、ネタがどうかよりそれをどう扱うかということが重要なのであって、僕は非常に感動した。15分の尺で成立していることに非常に感動した。敬服すらした。
「もっと長尺で観たい作品だった」という意見も目にしたが、いやいや15分で充分描き切れていると思うけどな。

MOOSIC LABという企画に対するアプローチとして、音楽とは・バンドとはという点で色々な向き合い方があると思うしそれを各々の監督がすべき企画だた思うのだけど、作者が「Home Comingsひいてはインディーポップ音楽が大好きでたまらない」というのが伝わってきた。そのとき、「好き!!!」というのもたしかに一つのアプローチの方法であって、且つ、それをさらけ出すのはすごく正しい姿勢だと思った。ハッとした。
好き!!!が溢れ伝わってくる映画だけど、それに終始しないのも嬉しい。「とはいえインディーである」という点もしっかり踏まえた上で、「だけど大好きなのだよ〜〜」という態度がしっかりはっきり出ていて本当に好き。
本当に好きな映画。
タイトルもまさに「左京区ガールズブラボー」である。
ブラボーという言葉が、作者のキャラクター/音楽への態度をよく表している。好意で全肯定していくっていう。
おもしろいな〜っていう映画は数あれど、好きだなぁ!!と思える映画は本当にあんまり出逢えない。篠田監督に感謝。
追記の可能性はあるけどとりあえずここまで。。