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トビラを開くのは誰?のQTakaのレビュー・感想・評価

トビラを開くのは誰?(2011年製作の映画)
4.1
時を遡って、思いを巡らした時。
いくつもの瞬間と場面が同時並行に蘇る。
そんな不思議を映像にすると…
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何を見たのか。
何を聞いたのか。
何を話したのか。
物語を通じて何が遭ったのかを確認するよりも。
場面場面が、どの瞬間、どんな時間だったのかを感じとる映画だった。
導入部に夜の路線バスというのは、記憶を呼び起こすシチュエーションとしてピッタリだった。
日常であり、ちょっと印象の濃い場面でも有るし、ちょっとミステリアスな設定でもあった。
そこから病室への展開に、場面とは別とも思える親子の会話が強く印象に残る。これが親子の関係であり、その風景だった。
それらを踏まえて、病室に入る。
窓外に、バスの運転手と母親の影を確認する。
風船が飛んで行く。
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たとえば、少年が大きくなってから、記憶を辿り、この日をそこに見つけたのかもしれない。
そこに浮かんだのが、これらの記憶の断片だったとして。
これらの表現に不足があるだろうか。
これらの表現に勝るものがあったであろうか。
という気持ちになった。
シナリオ展開も多分良いのだろう。
短い作品ということもあるけど、一瞬にして引き込まれ、一気に過ぎ去って行ったのであるけど、そのまま印象に残っている。
イイ。
とてもイイ。

配信映画祭2020にて鑑賞
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