ペコリンゴ

クルーシブルのペコリンゴのレビュー・感想・評価

クルーシブル(1996年製作の映画)
3.0
記録。
「魔女」を生み出す少女たち。

魔女狩りと言えば、中世ヨーロッパの話でしょ?となるものだけど、17世紀アメリカでは「近世で最も有名な魔女裁判」が起きていた。

「セイラムの魔女裁判」。
処刑や獄死含め25名の尊い生命が有りもしない罪で散った悲劇。本作はこの史実を題材にした戯曲の映画化作品だ。

森に集い、怪しげな儀式に興じる少女たち。なんて事はないただの恋まじないだった。ただ1人を除いては。儀式の真相が明るみになるのを恐れた少女たちは、無実の村人を悪魔に憑かれた魔女に仕立て上げていく…。

21世紀に生きる現代人の目線から見るととんだ茶番だ。馬鹿げている。司法に宗教が絡むことの危うさがよく分かる。

元を正せば不倫による強かさを携えた1人の少女の怨念めいた執念が発端。まぁこの辺りは脚色かな?にしてもウィノナ・ライダー扮する少女アビゲイルが非常に恐ろしい。名優ダニエル・デイ=ルイスは本作でも素晴らしい演技を披露しているのだけど、全く引けを取らない彼女の演技もまた圧倒されるものがある。

ただ宗教に縁遠い身としては、ついていけない部分も多く、それ程興味をそそるストーリーでもなかったのでちょっと退屈。

こんな歴史があったのだなぁ…それ以上でも以下でもないってのが素直な感想でした。勉強にはなりましたけどね。