風来坊

モーターギャングの風来坊のレビュー・感想・評価

モーターギャング(2017年製作の映画)
3.0
日本にも殺人暴走族というのが居たので、オーストラリアのモーターギャングを見てもそんなに驚きはしなかった。半グレなんかもいるし、何処の国も悪いやつは大体同じなんだなと思いました。

ただ日本の暴走族は若者中心なのに比べて、モーターギャングは年配でもメンバーなのは驚く。暴走して目立ってどうのこうのより、ギャングとしての意味合いの方が強いんですね。

あまりバイクを愛しているようにも見えないし、バイクはモーターギャングとしての威勢を張る為の道具なのかな。
ボスもリーダーとしての甲斐性が無いし、ギャングも悪党としての魅力は感じずテンションが上がらない。

どうしようもない兄貴と野心に溢れる彼女に、振り回される弟は気の毒で物語を盛り上げていました。自分なら早々に絶縁するけど(笑)
長い刑務所生活で男に目覚めちゃったボスに笑けてしまう。

主役のパドー役をを演じた俳優が野獣だらけでそう見えるのかイケメンなのと、彼女役がが可愛いくて画面が映えました。

オーストラリアのアカデミーにあたる賞で5部門にノミネートされた作品らしいですけど。モーターギャングの生活というかそんなのを見れたのは興味深いけれど、単なるくだらない内輪揉めのお話で映画的に面白味を感じませんでした。

行き着く先は見えている。幸せの無い殺伐とした世界は描けていて、その辺は面白いと思ったので好みが合えば評価が極端に変わる映画なのかなと思います。が…決して万人受けする映画では無いです。非情でダークな世界観はほんの少しステファノ・ソッリマ監督の「暗黒街」を思いだしました。
風来坊

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