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ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男のtorakoaのレビュー・感想・評価

3.5
サブタイトルから面白くなさそうなニオイが漂ってるのが気になりつつ、ステラン出演作ゆえレンタル開始日にうきうき借りた記憶。
マッケンローは多分昔読んだテニス漫画でチラッと言及あったとかで名前とイメージみたいなのだけは何となく知ってて、『ウィンブルドン』(が舞台のロマコメ)に出てるの観た程度、なテニス全然知らない私ですら名前知ってる人の話という楽しみもあった。

基本、事前情報入れずに観るので(レンタル派ゆえできることだよなー)、ボルグさんはスウェーデンの人だったのかーそれで🇸🇪ステランなのかとか、最後に出てくる本人画像が劇中のボルグまんまで混乱したりとか、色々面白かった(小学生並みの感想)。

本筋のストーリーは件の1980年ウィンブルドン選手権、決勝に至るまでの経過に過去話を散りばめながら進行していく。
6〜7割方ボルグが主人公ながら、マッケンロー側のエピソードもある。
ちょいちょい脚色感、あー嘘混ぜてるんだろうなと思うところはあったものの、あんまり劇的にはしてなかったからか許容できた。

ステランは頭髪の量で微妙に年齢を表現していた。なるほど。
少年ボルグはボルグの御子息だそうで、幸せな映画化だったようでよかったよかった。
マッケンロー周辺の選手は不満ありそうな気がしたけどどうなんだろう。

あとステラン(191cm)のせいで何かコンパクトっぽく見えるけどボルグの人決して小さくないはず、と思ってGoogleに聞いたらスヴェリル・グドナソンさん185cmだそうな。普通にでかい。そうね4cmでも結構違うものね(ステランと長男スカルスガルドの並びを見るに)。

伝説化してる一戦らしくて、競技のことを全然知らなくても興味が湧く、血湧き肉躍るような対決な訳だが、試合面でそれほど盛り上がるようには演出してなかったと思う。台詞も多くないしモノローグも入れてこないし、案外静かなトーン。
それゆえに感じる緊張感・臨場感みたいなのがあって、落ち着いたクールっぽいトーンが北欧ムード醸し出してる感になってて何と言うか大人な作品だなーと。また小学生並みの感想ががが。

対照的とされてきた二人の相似性とか興味深いネタだし少年漫画みたいな実話なんだが、少年漫画テイストにしていない。そこが肩透かしと思う人もいるかもしれない。
私は静かめの抑えたトーンが心地好い作品だなと思ったし、ボルグという人物の表現にもなってるように思ったので好印象。

一般的にライバル=敵みたいにされがちなとこあるけど、同じものに打ち込み高みを目指す者として同志といった感情も内包してたりするものだと思う。
じゃあ誰しも仲良くできるものかったら、同じ学校に通う同級生でありさえすれば仲良くできるってもんでもないのと同様だろうし、けど同窓だの同郷だのってだけで親しみや連帯感めいたものを感じ易いのも確かにあったりもするので、画一的にこういうもんだと言い切れるものはないんだと思う。で、ボルグさんとマッケンローはその後親交があるそうな。

“似ている作品”に『完全なるチェックメイト』があるのは凄くわかる。対照的だが根底に相似性がある二人の対決だったので、そっち観ててボルグ&マッケンロー思い出した。
爽快感みたいなものは断然こちらのほうがあるが、それはまあ競技的にもキャラ的にもしょうがないとこだろう。

“デ杯”て何だろう?デンマークのデ?北欧選手権みたいなもんなんかなーと気になって調べたら全然違った。
Davis Cup(略称:デ杯)は1900年から毎年行われている男子テニスの国別対抗戦。φ(.. )すごい歴史ある大会だったのね。

吹替なし、日本語字幕のみ。レンタルBDに映像特典あり。
主演二人と監督のインタビューがちょこっと。あとプロダクションノートというパンフレットの内容みたいなのがある。こういうのあると満足感ある鑑賞になるなー。
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