みっちゃん

ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男のみっちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
2021.7.25
「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」
BORG MCENROE
2017 スウェーデン,デンマーク,フィンランド
監督 ヤヌス・メッツ
脚本 ロンニ・サンダール
NHK-BSPからの録画にて鑑賞

HDから消去できない作品が一つ増えてしまった。
実話に基づく物語。
1980年のウィンブルドン選手権。
そういえば、そんなことがあったというほどの記憶だった。

5連覇がかかるビヨン・ボルグの苦悩が中心となって描かれる。
終始沈鬱な表情のボルグ、金髪ロン毛の端正なお顔、王子様みたい。
冷静沈着な氷の男、北欧の冷血男などと評される。
大会前からの様子に、少年時代からの彼の様子が織り込まれて、
物語は進行する。

決勝戦で対戦することになるジョン・マッケンローは19歳、
暴言を吐き散らす悪童、NYの暴れん坊。
バンダナを真似たり、ボルグに憧れていたようだ。
そのはっきりした物言いに、私は気持ちよさも感じた。

対照的に並べられる二人だが、
実はボルグも10代の頃は、プレー中にすぐにキレていた。
彼を見込んでコーチを引き受けたレナート(ステラン・スガルスガルド!)が諭す。
『怒り、怖れ、混乱などすべてを1打1打にたたき込め!』と。
その言葉を飲み込んで、ボルグはコート内では冷静沈着なプレーヤーになる。

それを見抜いていたマッケンローの友人が言う。
『彼は氷山と言われているが、本当は噴火寸前の火山なんだ』

ロッカールームで二人が視線を交わした時、
何かグッと込み上げてきて、切なくなった。
5連覇を期待され、勝たなければならない重圧に押しつぶされそうなボルグ、
悪態を批判され、英国民を敵に回し、それでも勝ちたいマッケンロー、
どちらも孤独なんだ。

伝説の決勝戦に映画の1/4くらい割かれたんじゃないだろうか。
息詰まる、目が離せない。結果はわかっているのに。
『すばらしい試合だ。君のテニスをしろ』
本当にボルグがマッケンローに言ったんだろうか。
第4セットのタイブレークでマッケンローが取り、第5セットまでもつれ込む。
ボルグも、調子が落ちそうになると、スウェーデンの森で感情を爆発させた過去を思い起こし、自分を奮い立たせる。
実況も良いことを言ってた『心と心の戦いだ』。

決勝戦では暴言を封印し、礼儀正しく試合に打ち込んだマッケンロー。
試合前にブーイングで迎えられた彼が、英国人に受け入れられたシーンに感動。
ラストも良かった。

ボルグ役は彼と同じスウェーデン人役者なんだろうな、美形。
マッケンロー役のシャイア・ラブーフ良かったー!
本人よりかわいい。笑

当時はジミー・コナーズ派だったっけと、おぼろげながら思い出す。
みっちゃん

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