鈴木ピク

切り裂き魔ゴーレムの鈴木ピクのレビュー・感想・評価

切り裂き魔ゴーレム(2016年製作の映画)
3.2
一応主演はビル・ナイだし19世紀ロンドンの空気も再現しつつ、どうも理屈じゃないところで「テレビ映画かな?」みたいな雰囲気も嗅ぐ、つまりちょうどながら見でもするのにお手頃な一本。

幾つかの猟奇的殺人が起こった後でのミステリなんだけど、犯人捜しと、さる舞台女優の半生を辿る追憶とが交錯して、エンジンのかからないまま不思議な宙づりが続く。探偵役がゲイであることもこの宙づり感に加味していると思う。
その宙づりとなった過去で光るのは謎の真相より、19世紀の、キャバレーなのだろうか、妖しい小屋で展開するお芝居。
この世界をもっと広げた話が観たかった気がするが、この蛇行に若干のジャッロ感も漂い、そして油断して見てたら終盤の切れはなかなか悪くなかった。
鈴木ピク

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