【第67回ベルリン映画祭 コンペティション部門出品】
『オルランド』サリー・ポッター監督作品。日本では劇場公開されずWOWOWでプレミア放送された。キャストはクリスティン・スコット・トーマス、パトリシア・クラークソン、ブルーノ・ガンツなどイギリスの名優たちが揃った。
面白かった。U-NEXTでの配信が今日までということ、70分という短さでなんとなく見始めたが最後まで魅入ってしまった。
保健大臣に就任したジャネットを祝うため、親しい仲間内でパーティを開くが･･･
「パーティ」は政党とのダブルミーニングなのかな。非常によく出来た話。オチには思わず「なるほど！」となった。
流石はイギリスを代表する名優たち。女性政治家、金融マン、フェミニスト、レズビアンなど個性豊かなキャラクターを見事に演じている。
現代社会の歪さを表現した作品と言えるのかな。進歩の裏にはマイナスの面もある。それがどんどん表出していってしまう。スリリングでなかなか攻めた内容だ。
ある告白を受けてジャネットはひどく動揺する。それがオチに繋がってくるのだが、予想できない展開が面白い。過剰反応な気がしたが、なるほどそういうことか。
白黒の映像も美しい。攻めた内容、名優たちの演技合戦、サリー・ポッターの映像センスと極上の70分だった。
