虎舞羅ーコブラー

デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ーの虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

5.0
“暴力の伝道師”とも名高い、S・クレイヴ・ザラー監督によるバイオレンスアクション映画。

これにてザラー監督の三作は視聴完了!
今作はユニバーサル・シネマコレクションで1000円とお手頃だったので、思いきってBlu-rayを購入。個人的には大満足出来る一作でした!豚足さん、ありがとうございます…!😆✨

邦題だけ見ると「B級じゃん…」と思ってしまうかも知れませんが、これが中々見応えある映画に仕上がっているんです。
原題の“Brawl in Cell Block 99”は直訳すると“独房99号棟内での乱闘”。後半から展開されていく独房内でのバイオレンスアクションが、本作一番の見どころです。そのバイオレンスも、真新しい描写ばかりで我々視聴者を驚愕させます。ザラー監督の前作「トマホーク」でも書いた通り、スプラッター的な描写ではなくリアル寄りのゴア描写が特徴です。言ってしまえば地味とも表現出来ますが、これが中々強烈。ゆったりとした物語の進行の中で展開される鮮烈な暴力描写には、誰もが驚かされるでしょう。

「ブルータル・ジャスティス」や「ザ・スイッチ」のヴィンス・ヴォーンに魅了されました。元ボクサーで190cmの長身を持つブラッドリーが、仕事をクビになったのを始めに最悪な人生に飲み込まれていく姿を熱演。
“男の中の漢”という言葉は、彼の為にあると言っても過言では無いほど魅力溢れる人物でしたね。麻薬の運び屋として働くさなか、警察との銃撃戦に巻き込まれ逮捕。しかしマフィアのボスからの失敗の代償として、獄中の重要人物を殺せと命じられる。断れば妻とお腹の子を無惨に殺すと言われ、彼は暴力の化身と化します。
妻と子供の為なら、自身がいくら堕ちても構わない。牢獄で人権を無視する様な、拷問や不条理に晒されても構わない。ただ、家族を守る為に、男は暴力に堕ちていく。彼の背中に、彼の生き様に、涙した。

見応えある一作です。見てない方は是非ぜひ!