嫁に良い生活をさせたいと始めた麻薬の運び屋業で裏切られた大男(ヴィンス・ヴォーン)が、刑務所に収監される。しかし、組織の手が妊娠中の嫁に及び、別の刑務所にいる囚人を殺さなければならなくなるバイオレンスムービー。
日本語版wikiによると、本作は批評家から絶賛されている、らしいのだが、たしかに製作費400万ドルは小規模だが、興収は8万ドルにも満たなかったようだ。
☆マルボロマン
ドン・ジョンソンと言えば、『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』のマルボロだが、本作では火のついていない葉巻を吸いながら囚人を威圧して、火がついていないことに気付いて後から火をつける。マルボロマンも落ちたなくらいには感じたが、これで笑える人は珍プレー好プレーみたいのが好きなのだと思われるし、映画とかは違うのかなと。それとも多くの人は、こういうの目に入らないのかな。スクリプターは何も言わなかったのかな。これでいいんだと押し切られた?
☆軽口
ピーター・バーグの映画みたいにいちいち差し込まれる軽口をやめて欲しい。スキンヘッドの後頭部にでかいタトゥーを入れた麻薬の運び屋の、軽妙な教養アピールって、どういう設定なんだ。
☆鈍重なアクション
ヴィンス・ヴォーンも50前で、そんなに動けないだろうし、実際にさして動いていないのだが、驚くほど華々しく敵はやっつけらて倒れていく。腕がもげたり、顔面が潰れたり。つまりこのバイオレンスアクション映画は、運動はほとんどないのにも関わらず、乏しいアクションの結果はそれに見合わないほど派手に映し出される。ごまかしだねえ。SEもヴィンス・ヴォーンの動きには見合わない派手な音を出す。ごまかしだね。スクリーンを注視しないで、概念的に映画を観る批評家がごまかされたんだね。運動って、まずプロセスでしょう?この映画は結果と音だけで、実質的に運動がない。絶賛の批評家って、、、何を観ているんだろう。
☆撮影
前半は青みがかった、後半はセピアが入った感傷的な色調になっており、大男をさらにデカく見せようとアングルをつけた撮影になっているため、空間性がよく出ている。トニー・スコットの『マイ・ボディガード』(2004)ほどではないが、色調の調整と照明を頑張っている。デジタル撮影。
Blu-rayで視聴。画質良し、音質良し。ただしサラウンドの活用はあまりない。