ペコリンゴ

はじめてのおもてなしのペコリンゴのレビュー・感想・評価

はじめてのおもてなし(2016年製作の映画)
4.1
記録。
受け入れた難民の青年が家族の絆を繋ぎ直す。深刻極まりない実情を題材とするものの、至って純粋な名コメディ。

2016年のドイツ本国での興収トップとの売り文句に惹かれる。なるほど、これはとてもイイものだ。

現代的なセンスと豊富なユーモアで、難民や宗教、テロ問題等の深刻な題材を、いち家族の視点でストレート且つハートフルに描く秀作。難しいこと分かんなくても面白いから大丈夫。

ミュンヘンに一軒家を構えるハートマン一家。まだ外の女への下心があるのか、イイ年こいてプチ整形に余念がない父リヒャルトを筆頭に、家族みんながそれぞれ明後日の方向見てる感じで希薄な家族関係。
ある日、母アンゲリカがナイジェリアからの難民ディアロを受け入れて家に住まわせることを決意。家族と青年を中心として様々な騒動が巻き起こる…

裕福で何の不自由も無いように見えるけど、それぞれ問題を抱える家族。
難民ディアロが足りなかったパズルのピースであるかのように家族を一つにしていく様はドラマチック。ラストの多幸感も良き。

残酷な現実がある事を知るとともに、笑って暖かくなれる、振り幅の大きい作品。