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蝶の眠りのsumiccoのレビュー・感想・評価

蝶の眠り(2017年製作の映画)
3.5
42歳で観て
ちょうど良さを感じるラブストーリー。
5年前なら
こんなに感じさせられなかったかも。

最初から
終わることがわかっていて。
自然に終わるのでなければ
自分が終わらせることも決まっていて。

男女関係において
結ばれるエンドや
一緒にいられる長さが重要だった頃なら
「なんで深入りするの?」
ってなってしまっていた気がします。

でも
あともう少しで終わるから、と
ギリギリを少し超えたところで
迷ったり、耐えたり、
選んだりするヒロインの
等身大の言葉選びがよかったなあ。


不倫を理由に離婚をし
独り身に戻った女流作家が
若年性アルツハイマーと宣告され
ある韓国人留学生の手を借りて
最後の作品を書き上げようと生きる物語。


あたしはもともと
コンサートに行くほど中山美穂が好きでして
なのでだいぶ気持ち的には寛容なんですけど
それでも最初は
観続けられるかな?と不安になるぐらい
ヒロインの演技が浮いて見えて(笑)

でも一周まわって
不思議でぶっ飛んでる芸術家だからな!と
納得させることで
乗り越えることに8割成功。

キム・ジェウクは
全編日本語で演じ切り、
お見事としか言いようが…


詩的な台詞回しが多く
撮り方によく合っているなあと思う場面と
そのわりにこの表情やこの動きで
オッケーを出す監督の真意が
読みづらい場面と
半々ぐらいの印象でした。

すごくよかったのは
"日本の夏" の切り取り方。
夏の音が満載で、作品によく合っています。
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