わだげんた

枝葉のことのわだげんたのレビュー・感想・評価

枝葉のこと(2017年製作の映画)
2.5
映画との出会い方っていろんなパターンがありますよね。

この映画と出会ったのはある劇団の公演で配られたチラシによって。その劇団は『ゴキブリコンビナート』と言って、エログロバイオレンス上等、差別用語が飛び交い、謎の液体が飛び散りまくって観劇者はレインコートを着ながら、終始¨なにか¨から逃げまとうアナーキーさ。

その劇団の公演で配られたのがこの映画のチラシで、何故ならば『ゴキブリコンビナート』の看板女優がこの映画に出てるから。

その女優さんは堀内暁子さん。
彼女、凄いよ。あんなに体張りまくる女優さんが日本にいたんだ、ってぐらい。文字通り心も体も裸一貫で演じてる。

で、スクリーンで彼女を観てみたくて、イメージフォーラムまで足を運びました。久しぶりでした。

映画の知識はほぼなし。いろんな賞を獲ってるみたいだけれど。。。

主人公は隆太郎。
車の整備工場で働き、同僚と無駄話したり愚痴を聞いたり。酒とタバコが大好きで、近所のスナックの女と懇ろになったりもしてる。

代わり映えのしない毎日。そこそこ満たされてるけど、基本やる気ない。そんな隆太郎の毎日のルーティーンに加わったのは友人のお母さん・龍子さんのお見舞い。かなり具合が悪い龍子さんは隆太郎が子供の頃に大変お世話になった人だ。

龍子さんと話すたびに、隆太郎のなにかが変わっていく。でもそれは。。。

ってお話。

「枝葉のこと」ってタイトルはよく付けたもんで、隆太郎の行動は他人にとってはどうでもいいことだったりする。逆に隆太郎にとっても周りの人に起きてることなんかどうでもいい。枝葉のことだ。

でも枝葉のことでもたまに、刺さる。

何が刺さるのか。観ながら俺にもブスブス刺してきた。いろんな人物の感情とか行動とかが。

何でもなさそうな話なのに、二時間全く飽きなかった。インディーズゆえの未熟さとか拙さが逆に物語の説得力が出てた気がします。

公式サイトに出てた山下敦弘監督の『初期の1人北野武映画』ってコメントはうまいなー、と思った。

隆太郎の歩き方は「その男、狂暴につき」だよね。

そして、堀内さん。やっぱり体張ってた。なんか怖かったなー。あの蹴り、堂に入ってて恐れ入りましたm(_ _)m
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