しゅん

枝葉のことのしゅんのレビュー・感想・評価

枝葉のこと(2017年製作の映画)
4.0
昨日(19.01.11)、新文芸坐のカサヴェテスと迷いつつ、アップリンク『枝葉のこと』都内最終上映へ。
監督本人が実体験を主演する方法はこの映画では完全に活きているのだが、なにより緊張の高まったままダンっと途切れる終わり方が最高。あの唐突さで、この映画が「枝葉」であることが示されていると思った。手持ちカメラの揺れる長回しのスタイルとセリフのキレの良さ(「食品添加物たっぷりって顔」はよかった)、そしてガニ股で歩幅短く歩く二ノ宮隆太郎のふてぶてしく頼りない存在感。車仕事から家に帰ってただただ本を読み、全裸で家事をする生活感の表し方も繊細で素晴らしい。ただただ時間が空転していく空回り感が今の自分そのもののように感知してしまったところも含め、グッとくるところしかなかった。

本人が本人を演じるという点で、(フィクションの絡み方や私性の濃度の差異も含めて)『15時17分、パリ行き』と並べて考えてみたいやつ。イーストウッド感と北野武感はやはりある。
しゅん

しゅん