とどのまつり

枝葉のことのとどのまつりのレビュー・感想・評価

枝葉のこと(2017年製作の映画)
5.0
名カメラマン四宮秀俊がハンディで追いかけるのは無表情でスタスタと歩く主人公隆太郎(演じるのは二ノ宮監督)。カメラワークの素晴らしさも相まって彼の言動にぐいぐい引き込まれていく。登場人物たちのセリフも面白く(自分も含め客席のあちこちで笑いが起こっていた)かつリアルで暴力性を抱えた主人公が引き立つ。主人公の名前も監督と同じだしかなり私小説的な映画だとは思っていたがラストの訃報で実話(あるいはそれにかなり近い話)だと分かる。これは一生に一本しか撮れない類の映画だろう。これ去年のうちに見てれば年間ベストだったかもな。毎年この特集をやってくれる新文芸坐に感謝。