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判決、ふたつの希望のsaccharinのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
4.8
三谷幸喜いわく「法廷モノに外れ無し」
を裏付けるとんでもない力作。

戦争、人種差別、政治、友情、言論、メディア、正義、悪、、等色んなテーマをぶちこんだあげく、最後爽やかにまとめあげるという神業。
しかもそれを単なる個人同士のイザコザから始めて段々でかくしていくという、、
うーん天才的。

これと全く同じような事が日本で起こっても全然不思議じゃないです。
それだけ普遍的な内容です。

1番のテーマは「正義と悪」だと思うんですが、みんな「自分は正義で相手が悪」だと信じ込んでます。
(トニーの家族だけは相手の立場で考えてました)
正義は自分にあるから相手に何を言っても、何をしても問題無い(自分は悪くない)と思っている。
この前ニュースで、ストリートミュージシャンからCD買って目の前で叩き壊して「うるさいから正義の為にやった」って言ってるヤツを見ましたが、そいつも同じです。

戦争やテロで大量虐殺しても本人からすれば「正義」のつもりでやってるわけです。
これはガチで怖い。
こうなるともう「何を言ってもムダ」状態。

この映画の2人も最初はその状態でした。
ただ次第に、ホントに少しずつ2人も歩み寄っていきます。
そこが邦題の「2つの希望」な訳です。

相手の立場に立ってみたら自分の知らない事情が沢山あった、なんて事はざらにあります。
なので自分の目線だけで物事を「決めつける」のは余りしないほうがいいなと思いました。

こんな凄い映画の
次作はどうなるんだろう?
次がコメディだったら見なくても笑うけど。

とりあえずこれは歴史に残る一作。

監督さんの気合いに当てられて、こちらも気合いの長文になってしまいました。
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