たろ

判決、ふたつの希望のたろのレビュー・感想・評価

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)
5.0
レバノン人とパレスチナ人、二人のおじさんの揉め事が、国に影響する程大きな裁判へ膨らんでしまうお話。
何故そこまで意固地に...と思うんだけど、日本人には想像しきれない社会的な背景がどんどん明らかになる。

二人ともカッとなりやすいけど似てる所や良い所もあって、話が大きくなるにつれ二人とも我に返っていて、違う形で出会ってればこんな複雑にならなかっただろう社会が苦しい。

後半、二人の問題と併せるように、それぞれの弁護士間の確執も絡んでくる。
最初は蛇足かなぁと思ったけど、色んな対立してる人達を巻き込んで派閥が出来ていく過程を見せられる。

どんどんヒートする中で、主人公二人の奥さんが俯瞰してものを見ていて、良いバランスで観てる側もクールダウンさせてくれる。

多様な問題をエンタメ(と言っていいのか)にして、より多くの人に国の歴史と現状を見てもらうことに成功したすごい映画だと思う。
たろ

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