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グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブルのmのレビュー・感想・評価

4.0
@「自分の道を進めば
本物の仲間が分かる
家族を作っているんだ」

@「無関心な知恵より、情熱的な狂気の方がいい」

他者の嫉妬を、圧倒的努力でねじふせた彼はやはり天才である。
恐ろしいと感じていた彼は、生き急ぐ形で映画と向き合っていた。
そんな彼を身近に感じられる作品。

『プラダを着た悪魔』で勉強出来る子がセンスを身に付けると最強だ、というのを知ったんだけど、今作では逆を感じた。
センスがある人が知恵を身に付けると、ヤバい(笑)

1989年生まれの現在31歳、グザヴィエ・ドラン。
若くして名を馳せ、馳せ続けている彼のドキュメンタリー映画。
彼の作品は『マイ・マザー』『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』と4作品を観ている。
最近のが観れていなくて悲しいが、紛れもなく好きな監督だ。

『マイ・マザー』の出資者が居なかった話、『わたしはロランス』が撮れなかったから代わりに『胸騒ぎの恋人』を作った話、もう目が点になることばかり。
『胸騒ぎの恋人』はモニカ・ショクリさんの部屋で撮ったとかもうマジかよーと…笑

グザヴィエ・ドラン監督の熱量がとにかく凄い。
真剣に映画と向き合い、愛し愛されているのが分かる。
衣装や曲に至るまで全てをコントロールするけど、客観的な他者の視線も決して無下にすることがない。
独学で勉強した彼のセンスに憧れ、魅了された人間たちが彼を助けていく。
そしてより良い物を創っていく。
こんな事をされたら、映画だってそりゃ素敵なものが出来るよー…。

『わたしはロランス』を撮ったのが23歳。
今現在の私と同じ年齢であれを撮れたかと思うと脱帽してしまう。
くぅ……ドランは、やはり天才だ…。

影で彼がどれだけ努力しているかが分かる。
評価される理由がわかる。
彼が影響を受けた全てをリスペクトして、また彼の周りにいる人たちが彼に惹かれ仕事をしたいと切実に思う理由が分かる。
最高に素敵なドキュメンタリーだった。

『マミー』の画面比率が鳥肌立った!
すぐに観る!
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