高円寺ぱか

ジョニーは行方不明/台北暮色の高円寺ぱかのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

距離が近すぎると愛し方を忘れるから大丈夫、という励ましがよかった。あの文脈で初めて有効になる限定的な言葉であることに価値がある。終わらない日常は息苦しい、けどたまにはエンストもいいじゃないか、というスタンスにも同じことが言えるけれど、寄り添った視点に溢れた映画だったと思う。

ジョニーのアイディアはとてもしゃれていた。かっこいい。

あと、音いいですね。エレクトロニカ聴きながら台北を歩いたときのこと思い出しました。



青年はエンストで立ち往生する。地下鉄で少年は同棟の女性を見かけ、箱の中に鳥がいるとしつこく確認する。女性は間違い電話を受ける。ジョニーへの電話。最近、多い。

女性シューが鳥を逃したのをきっかけに、彼女と青年フォンと少年リーは接触する。次第に彼らの身の上が明らかになる。フォンはスズキで生活していて、時折、家族のもとに寄る。リーは母と二人暮らしで、メモを整然と壁に貼り、新聞の切り抜きを音読する。シューの生活費を援助してる王という恋人が彼女を訪う。

強権的な王にシューは反発する。お金のためにパメラと結婚したくせに! 家を飛び出すとスズキがある。助手席の彼女に驚きながらフォンはスズキを走らせる。あの家族では強権的な父と息子の喧嘩が起きている。二人はコンビニの前で飲みながら身の上話をする。シューは7歳の娘が香港にいる。電話で話すが、いつも上っ面のことしか聞けない。フォンは高校以来実家に帰っていない(あの家族は恩師のもの)。両親が10歳のときに離婚した時、母に依存され、母を選ばざるを得なかった。距離が近すぎると愛し方を忘れる、だから大丈夫だと、フォンはシューを励ます。二人は高速道路の脇の道を全力疾走する。

帰宅したリーを母が咎める。メモを読まなかったのか、あの道には二度と行くな、という母に、リーは兄はいなくても道はあると言い返す。自室で一人涙を流す。

リーはフォンに飛ぶ鳥は一瞬一瞬では止まっているパラドックスを聞かせる。シューは娘に電話して、父親に話があると告げる。

シューとフォンがスズキでエンストを起こすが、ほどなくして走り出す。

リーは新聞の切り抜きの録音を聴いている。