フランスの漫画が原作。監督は、原作者でもあるギヨーム・ルナールと、日本のアニメ・クリエイター西見祥示郎。庵野や新海が目指す近年の美麗な日本アニメにはあまり乗り切れない僕だけど、本作はポスターの絵を見れば分かる通り、昭和っぽい四頭身キャラとアメコミが融合したような作風で、なかなかかっこいい。
アメリカのLAが舞台。出生に秘密を持つ主人公(黒い頭は黒人のメタファーか)が、謎の組織に追われる中で覚醒し、特殊な能力を発揮してくというストーリー。ディフォルメの強いキャラクター描写や逃亡劇という事もあって、湯浅政明の長編デビュー作「マインド・ゲーム」っぽさがある。吹き替えは、草なぎ剛、柄本時生、満島真之介、Creepy Nuts等、何とも個性的で豪華なメンツだ。
アメリカが舞台ではあるけど、登場人物にはメキシコに所縁のある人物が多く、音楽もレゲトンが中心。世間一般的にはどうなのか分からないけど、僕から見れば良い意味で日本のアニメと違うオリジナリティーがあって、ワクワクしながら観る事が出来た。
カーチェイス・シーンでエンジン音やアイス売りのオルゴールがBGMとシンクロするアイデアがめっちゃお洒落。一方でゴキブリとバイオレンスシーンは結構グロいので要注意。