RenAlLotus

スパイダーマン:ファー・フロム・ホームのRenAlLotusのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

今になってみると、ホームカミングはあれ、スパイダーマンじゃなかったんだよね、
「高校生アベンジャーズ新人物語」でしかなかった。
メイおばさんとかも含めキャラクターがみんな原作と雰囲気違ったりとか、まあ、そら仕方ない話で、もう今まで5作も作った上でのリブートなんてもう普通のスパイダーマン映画でいいわけないんだよね

スパイダーマン映画なんて本来、冴えない高校生が突然クモに噛まれてスーパーパワーをゲットするところが、ベンおじさんを亡くして"大いなる責任"を学ぶところが、ニューヨークの摩天楼を飛び回るところが一番のカタルシスなわけで、それを全部封じた上でちゃんと面白い映画になってたホームカミングはまあ、ほんとうに凄かったと思う。

このためか。
このためかジョン・ワッツ。やってくれたな。

まず、いいか、今作は、ピーターが、
「トニー・スターク」という名のベンおじさんを亡くしたところから始まる!


ミステリオ(やっぱりただのミステリオだったじゃないか!)とともにヨーロッパ中を回りながら、これもホームカミングではやらなかったMJとの普通のラブストーリーも同時進行して、
しかも今回は史上初めて"ヒロインが可愛い"!!!!!そうなんです、僕あんまりエマ・ストーン好きじゃなくて

ミステリオの正体が分かってからはもうピーターは誰も信じられないわけで、もうトニーも頼れないし、でもそれって、スパイダーマンって元々ほら、孤独なヒーローだから、原作やその他の過去作品よろしく孤立無援な状態をここでトムホピーターも疑似体験できたんですな

さて、
責任を負う覚悟ができず苦しむピーターにハッピーが言う、「誰もアイアンマンにはなれない、トニー自身でさえ 彼も迷っていた」
なぜ迷っていたのか?もちろん、自分に課せられた責任を果たすために、奇しくもミステリオが言ってたように、"常に正しい選択を迫られていた"から。
では責任とはなんなのか?なぜトニーには常に正しく行動する責任があったのか?
それは、
もちろん、
トニーはアイアンマンで、
"大いなる力"を持っていたからじゃないか!!!!!

トニーという父親のような存在を亡くしたピーターは、いま、その生き様から、言葉でなく心で「大いなる力には大いなる責任が伴う」ことを知る。

同時に、ピーターの特殊能力でも、恵まれた頭脳でもなく、今作ではまずトニーの遺したE.D.I.T.H.が"大いなる力"の象徴となり、それに伴う大いなる責任をピーターに学ばせる。

さあ、そしてついに、新人高校生アベンジャーは、(旅を経て子供は男になる)、過去シリーズのピーターたちがそうしてきたように、自分で最新のスーツを作り、スパイダー・センスを身につけ、誰に命令されるでもなく自ら戦いに赴き、

いま初めて!!スパイダーマンになったのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

それを象徴するかのように、MCUのスパイダーマンが初めて、ニューヨークの摩天楼をスイングするシーンで物語は幕を閉じるのであった、、、、、、、




あ、そのスイングのシーンで、PS4のゲーム「Marvel's Spider-Man」を彷彿とさせる自撮りや壁走り、あとそのあとにも街灯の上にしゃがんだりとか(あとゲームっぽいカメラワーク)を見せてくれたんですよね、僕はあのゲーム今までの全てのスパイダーマン映画の最大公約数みたいに思ってるので、ああ、トム・ホランドのスパイダーマンもここでスパイダーマンのイデアに(カノンに?)合流するんだなって思って感動しました。

そしてその感動に関してはミッドクレジットで裏切られるわけで、


まず、うおーー!!!ジェイ・ジョナ・ジェイムソンだ、しかも、おい、
J.K.シモンズじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
わかります???サム・ライミ×トビー・マグワイアの、あの時のJJJが帰ってきた????んだぜ????どういうこと???????マジで自分がどのスパイダーマン観てるのか一瞬ワケわかんなくなるよね

そして全世界に公開されるスパイダーマンの正体…くそ…MJ抱えてビルの谷間を抜ける姿を見たときは「このまま彼はスパイダーマンとして生きるんだなあ」と思ったんだけど、それは、言い換えれば、いわゆる「こんな幸せがずっと続けばいいのに」なわけで、
こうなっちゃうともう、基本的に、スパイダーマンの素顔が全世界にバレてるなんてのは誰も未体験の展開だから、

どうなるんですかねこれから…ワクワクするじゃんね…ニックも宇宙おるし…ああ、また結局「スパイダーマン」から「MCUの1作品」になってしまう…夢を見せてくれてありがとう…


総括!スパイダーマンの誕生に必要な要素、特殊能力/恋愛/おじさんの死/摩天楼、これらを今までと全く違う方法で我々に示してくれた作品。
「ホームカミング」と合わせて、ひとりの少年がアベンジャーになり・そして"スパイダーマン"になるまでの1つの区切りになっている気がします。
同時にMCUとしては「トニースタークを継ぐ者」の誕生を予感させる演出も。
カタルシスの塊!いい映画でした!

多元宇宙、嘘でよかったね あれあのままだったら相当ややこしいことに
RenAlLotus

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