メイプルわっふるG

グレタ GRETAのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

グレタ GRETA(2018年製作の映画)
4.3
グレタさんイイ。
終盤「子犬のワルツ」でステップを踏む姿(サイコパス振り)がとてもキュート。蝶のように舞い、蜂のように刺す(物理)。
イメージ的には「どうしてこうなった」なAAポーズ。

他のストーカー作品に比べ、さほど常軌を逸した行動はない。むしろ粗漏だらけで自ら墓穴を掘ったりと、異常レベルは控えめのお茶目なおばさま。
地下鉄でスーッと沈み込む隠れ方には吹き出した。『ほん呪』か。

私的、曲チョイスが好き。
全編に奏でられるリストの「愛の夢」
感情が爆発、詰め寄りながらのヴィヴァルディ「冬」
飼い犬の名を呼んだり奔放に跳ねたりするショパン「子犬のワルツ」

「愛の夢(おお、愛しうる限り愛せ)」は、グレタが招いた娘と過ごす行為そのもの。
「ハンガリアン・ラプソディ」は、狂気に走ったハンガリー人そのまんま。"狂う"という文字が入っている日本語「ハンガリー狂詩曲」は、偶然にしても出来すぎだ。

そもそもグレタの好きなリストやショパンは国籍や民族的なこだわりが著しいので、グレタ設定のベースになっているのかもしれない。←解説・前情報など一切見ていないので不明

クロエが随分と大人びたものの、まだまだ可愛らしい。友人のマイカ・モンローが健康的な明るい美人さんなので相対的にもクロエは可愛いキャラに。
ウェイトレス制服のぱっつんつんは監督の意向なのか。そうか。よくやった。
童顔であのガタイとか販促(誤字にあらず)過ぎる。でもボタンはきちんと留めた方が可愛いと思う。

オドオドと弱ったクロエに対し湧き上がる庇護欲。加虐趣味はないけれど、弱ったクロエは『キャリー』も今作も良い。
入浴クロエは上方からの見下ろしアングル。『悪魔の棲む家』でカットされたユニットバスショット返り咲き。感無量。

うん、総じてグレタさんの心情は仕方あるまいということで。
※犯行犯罪ではなく、あくまで愛おしいと思う心情の部分


再鑑賞の晩、再放送の『団地ともお』がよもやの第36話→「よその子になっちゃいなさいともお」
上野夫婦の切ないお話のはずが、途中まで不穏や狂気が上回る羽目に。
今作を見るなら、TV版ともお36話は先に見ることを推奨(誰に?)。


鑑賞 2021.03.11 スターチャンネル
鑑賞 2020.11.22 スターチャンネル