離婚調停・共同親権を巡る家族のドラマ……という域を超えたほとんどホラーの作品。怖すぎる。心臓に悪い。
冒頭の丁寧な調停シーンから異常なまでの緊張感を感ぜられ、エンドロールに入る最後の瞬間まで全く気が休まらなかった。"あの男"はいつ爆発するのか分からない爆弾そのものだった。
観客の感情をこんなにも落ち着かない気持ちにさせるという意味で、とても優れた作品であることは間違いない。
なんて事ない場面でもいつ"あの男"が飛び出してくるのかと戦々恐々。「この場所には"あの男"は居ないはずだ。話も聞かれていないはずだ」と頭ではわかっているのにいつの間にかそこに居るのでは？という恐怖が常について回り、疲弊する。これはもう『スマイル』や『イット・フォローズ』等の理不尽オワタ式ホラーと同じ文脈で語られる作品なのではとすら思った。
ドゥニ・メノーシェの狂気の演技に拍手。
子役のトーマス・ジオリアも天才子役などと言われるほどの迫真の演技。ポスターにもなってる苦しげな表情は物凄く絵になる…。
