日本の基準で考えるとピンとこないストーリーというか背景かもしれないけど、フランスの制度と社会問題を知っているとこれはもはやホラーだといえる程に恐ろしい話。
もしかして父親は良い人なのかな?とか思わせてくるところは本当に厭な演出するなーと。
現実の社会でも外面は良いけど...って親はたくさんいて、映画を観る前からそういう人たちの存在はよく知ってたからこそ、映画で少しでも騙された自分が腹立たしいし、監督ぅぅ!!ってなる。
主人公のジュリアンを演じたトーマス・ジオリア君は本当に素晴らしい。
台詞のない緊迫した場面をここまで演じられるのはものすごい才能だと思います。
低評価のなかにシンプルだとか予想できるとかの意見もあるが、この映画が恐ろしいのはまさにそこ。シンプルで予想できる恐ろしい問題に目を背けてきた結果が今の社会であり、それを真正面から映画として描いたことが評価される理由だと思いますよ。