風の旅人

劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-の風の旅人のレビュー・感想・評価

1.0
「これは映画ではない」

なるほど、タイトルにわざわざ「劇場版」という断りがあるように、製作者は端から映画を作る気などさらさらなく、テレビドラマの延長のつもりだったのだろう。
最初にこれまでの「コード・ブルー」の軌跡がダイジェストで流れる。
それを観た瞬間、映画オタクではなく、ドラマ版のファンに向けた作品だとわかった。
冒頭から感動げなエピソードのオンパレードで消化不良を起こした。
2時間の尺に色々と詰め込み過ぎではないだろうか。
中でも脳死した少年の臓器提供を承諾した父親に、心臓移植された息子の心臓の音を聴診器で聴かせる医者には引いた。
そして同僚の結婚式で終わる大団円。
これは僕の持論なのだが、「最後を結婚式で締める映画には碌なものがない」。
確かに当事者たちにとっては重大な「出来事」なのだが、第三者からすると単なる「行事」に過ぎない。
すべては予定調和に終わり、そこには「驚き」は生まれない。
登場人物の内面のナレーション、説明的台詞には鼻白んだ。
ただガッキーは可愛かったし、ミスチルの「HANABI」は名曲だと思う。
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