【バレエ通でなくとも楽しめる】
バレエにはシロウトの私ですが、バレエの映画はわりに見ています。
本作はその中でも面白かったと掛け値無しで言える作品になっています。
まず、ベートーヴェンの第九交響曲のバレエ化であるということ。
クラシックの曲をバレエ化すること自体はよくあるようですけど、何しろこれはベートーヴェンの最後の交響曲が素材ですから、それをどうバレエ化するのかという興味がまず観客の側にある。
また、このバレエ化は有名な振付師のベジャールによるものを再現するという試みだそうで、天才の仕事を後世が改めて取り上げて舞台化するという点でも注目に値すると言えるのです。
さらに、この試みにはフランスのバレエ団だけでなく、日本のバレエ団も加わっている。
日仏のバレエ関係者のインタビューも入っています。
ただ、日本のバレエ関係者には、もう少し言葉で自分のやっていることをきちんと表現するように努力してもらいたい。フランスとの「格差」が目についてしまうので。
最近の日本映画はセリフが単調だと嘆いている私ですが、バレエ関係者も身体の動きだけでなく言語表現の訓練をも積んで欲しいということ。もっとも、これは日本の教育全般の問題かもしれません。