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ダンシング・ベートーヴェンのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

3.6
年末は第九でしょ、と探していたら、ズービン・メータ指揮、モーリス・ベジャールの贅沢な本作を発見。東京公演までのドキュメンタリーでした。

フルでは観られないけれど、ベジャールの振り付けがいかに音楽に合っているのかがわかって感動しました。

インタビュアーは当時のモーリス・ベジャールバレエ団の団長ジル・ロマンの娘。子どもの頃からベジャールのトップダンサーの両親に連れられてバレエを観て感じてきたのですが、本人はバレエの道には進まなかったので、観客と舞台の間で、ダンサーの身体的な言葉や舞台で起きていることを翻訳できます。

ベートーヴェンが第九を作った頃は耳が聞こえていなかったから、「音を見ていたのではないか」と言うのです。
そうやってダンスを観ると、音の力に合っている! 

私は振り付けが覚えられず、リズム感がなくて、代わりにダンスを観るのが好き。
そんなに古典バレエは観たことないのですが、コンテンポラリーダンスは大好きでたまに観に行きます。モーリス・ベジャールの舞台を生で観たことはないのが残念です。

身体で表現する人には心から憧れます。

練習シーンが続く中で、言葉で伝える指導者たちの身体の動きに注目。座っているのに一緒に身体が小刻みに呼応しています。身体表現とはこういうことなのだと、感慨深かったです。自分が踊って手本を見せないやり方は、ダンサーが自分で感覚をつかむためなのかなと思いました。

日本人がかなり在籍していました。日本のバレエ団と提携関係らしく、この舞台も日本のバレエ団との共演です。

第九とベジャールは日本人が大好きなので最強の組み合わせ。斬新な振り付けと舞台は上から見ると曼荼羅で、世界平和を願った公演でした。
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