経年変化

シリアからの叫び/シリアの悲痛な叫びの経年変化のレビュー・感想・評価

4.2
傑作『ウィンター・オン・ファイヤー』同様に監督を突き動かしているものは紛れもなく社会的弱者の叫びであるわけだがロシアへの糾弾意識も製作動機の一つとして少なからずあるのだろう。『娘は戦場で生まれた』『ラッカは静かに虐殺されている』『アレッポ 最後の男たち』『シリアに生まれて』など、近年のシリア関連ドキュメンタリーと背景を共有しつつ、イメージこそ切り貼りにとどまってはいるが、当事者らの生の声を掬いとる事に重心を置くアプローチで人類の愚行に鋭く肉薄していく。アラブの春の影響下でシリアで何がおこりどのように状況が変化してきたのか?その概要を把握できるといった点で本作は充分にその存在意義を果たしていると思う

アジアンドキュメンタリーズにて鑑賞