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アレッポ 最後の男たちのditaのレビュー・感想・評価

アレッポ 最後の男たち(2017年製作の映画)
4.0
@第七藝術劇場   

空を見上げるのは気持ちを上向かせるためだと思っていた。こんな気持ちで空を見上げている人たちがいるということを初めて知った。何度も何度も繰り返される爆撃。意識して呼吸をしないと息が詰まってしまいそうなシリアの現状を目にして、これはロケでもセットでもないと何度も自分に言い聞かせた。

爆撃によって人が人を殺し、ホワイト・ヘルメットによって人が人を救う。全て人がおこなっていること。何の為に、誰の為にこんな矛盾に満ちたことを繰り返さなければならないのかと涙を流すしかなかった。

辛くて二度は観られない。わたしはわたしの人生を生きるしかないし、気持ちを立て直して明日からも生きていくしかない。でも、わたしはわたしじゃない誰かの人生のことを忘れたくないと思った。それが、この映画を観たわたしの責任だ。
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