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サニー/32のmitzのレビュー・感想・評価

サニー/32(2018年製作の映画)
1.0
小学生による同級生殺害事件。加害者である女児は「サニー」と呼ばれ、一部でカルト的な人気により神格化されます。その事件から14年後、「サニー」を巡って起きた拉致事件から・・・よくわからない展開になる作品です。
まずキャスティングです。リリー・フランキーとピエール瀧は続編でもないのに同監督作品「凶悪」と同じ配役です。キャラクターも酷似するため、最後まで妙な違和感があります。三谷幸喜作品のような効果は一切ありません。また主人公の北原里英はアイドルの下駄を脱ぎ、必死に爪跡を残そうとしますが、圧倒的に演技力が追いつかず観ていて辛くなります。
次に内容です。物語の展開が前半と後半の二部構成になっています。後半から突然登場人物たちの立場が変化しますが、その行間らしい行間がありません。また前半のストーカー事件や後半に登場する「第2のサニー」など、それらサブストーリーは何も帰結しません。
かと言って「つっこみながら観る」ほどのB級臭もなく、むしろ少し狙った感じがあり、余計ハズれているため救済の余地がありません。ラストシーンまで徹底された駄作と断言できます。映像特典にある「舞台挨拶」の重苦しい雰囲気も◎です。

映画を楽しむ上でおもしろくない作品を知るのも良い経験です。この作品もそのひとつとして印象には残りました。
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