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さびしんぼうのTPのネタバレレビュー・内容・結末

さびしんぼう(1985年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

 自分の年代とぴったり合う時代設定なのだが、今観ると、前半の高校生活を描いている部分はコメディのセンスも仲良し三人組の所業もさすがに古さを感じざるを得ない。
 このパートは中盤まで長く続くため、尾道の空気感や懐かしい風景という描写の良い部分があっても、映画の中に惹き込まれて行かない。

 反則技ともいえるショパンの「別れの曲」を随所に使用しており、陰のあるヒロイン百合子を演じる富田靖子は適役だし、ヒロキと百合子のストーリーはノスタルジックで純粋なのだが、素敵なファンタジーとしてすっと心に浸透しないのは、“さびしんぼう”が16歳の時の母親の化身であり、母の想い出と後悔が息子に向けて語られる、一種の家庭内事情の現実的いざこざが軸にあることと、“さびしんぼう”を百合子と同じ富田靖子が演じていることによる意味があるのかと思いきや何もないという違和感が鑑賞中に整理しきれないことが要因と思われる。
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