フリーザ

さびしんぼうのフリーザのレビュー・感想・評価

さびしんぼう(1985年製作の映画)
4.3
尾道の風景がとても綺麗で、セピア色の色彩と相まってとにかくノスタルジック。
同じ尾道で撮影された『時をかける少女』に比べて引きで撮るシーンが多 くてこちらの方が好みでした。

漫画のようなノリのギャグに時代を感じつつそれも味があって微笑ましいです。
樹木希林と小林聡美の親子が特にツボでした。
おばあちゃんののほほん具合もかわいい。
主人公達三バカもいいですし岸部一徳演じる変な先生や校長先生も良いキャラ。基本出てくる人が皆良い人なので安心して観れますね。

主人公が詩的で繊細でありつつ友達の前では悪ガキになっちゃうあの感じがリアル。

良く考えると結構話の構造がややこしい気が。

段々母親とさびしんぼうが似ている様に見えてくるから不思議。


以下ネタバレもあり




ヒロキの百合子に対する「いつもピアノを弾く姿(ヒロキから見える右の横顔)を見ていた」と、百合子の返事「反対の顔は見ないで欲しい」が、大きな寺の息子であるヒロキと片親で貧しい暮らしをしている百合子の対比も相まって切なかったです。

母親が昔好きだった人の名前を息子に付けているというエピソードと上記のやり取りを丸ごと含めて五右衛門風呂での父親のセリフに集約していくのが見事。
ここ以外に父親が喋るシーンが無いのもニクい。
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