私的ポン・ジュノ4作目。
『本映画に登場する犬は医療専門家の立ち会いのもとで安全に管理されています』
冒頭にこのテロップが出ていなければ開始5分で観るのをやめていた。
それぐらい犬が何度も何度も窮地に立たされる。
前置きがあったにせよ厳しい部分は厳しいので、犬を愛する人は観ない方がいい。
犬を愛する私だけど、ポン・ジュノに託し観続けた。
しかしながらコレは傑作かも。
めっちゃ辛いけど旨味の方が勝った、みたいな。
ポン・ジュノ監督の長編デビュー作だそうだが、やはり元々シュールな笑いのセンスがあった方だというのが凄くわかる。
黄色パーカーの応援団のところには唸った。
とはいえ、好き嫌いはハッキリ分かれるはず。
コメディではなく、ちょうど良いリアリティ。
貧困層の暮らしとか縦社会の不条理さとか夫婦の痴話喧嘩とか、どうでもいい事と真面目に共感出来る事がバランスよくやってくる。
悪い人がそこまで悪い人ではなく親しみやすい人が1番悪い人だったりする、そんなどこかファンタジックな空気感も魅力のひとつ。
タイトルはそういう意味合いなのかも。
とにかく、終始若きペ・ドゥナの奮闘がたくましい。
そして、個人的に初見のイ・ソンジェが色々と上手すぎてツボりどころ満載だった本作。