Kota

最初で最後のキスのKotaのレビュー・感想・評価

最初で最後のキス(2016年製作の映画)
3.5
“結末は私達次第で変わる。”

嫌われ者のブルーと、ゲイの転校生ロレンツォ、そして知的障害を持ったアントニオ三人の外れものの物語。前半はイタリア版“ウォールフラワー ”かと思いきや、これはもっと深く第三者目線でLGBTに悩む若者の葛藤を描いている作品。昨日観た“彼の見つめる先に”とは打って変わってこっちは受け入れられない事について。これが多分現実なんだろうなあ。

現実と理想の境界が絶妙で、突如始まるミュージカルやアニメーションの合成は“500日のサマー”方式だよね(笑)。一見ポップに見えてかなり現実を捉えているし、それぞれの親の動き方も凄くリアルだった…。作家が結末を考えながら小説を書くように、私たちの人生もほんの少しの思いやりと勇気で結末を変えることができる。そんな当たり前のことを教えてくれる。

“最初で最後のキス”という邦題とジャケットにセンスしか感じない。
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