巣籠もり坊主

ターミネーター ニュー・フェイトの巣籠もり坊主のレビュー・感想・評価

2.5
 「2」が最高と思う僕には、冒頭のエドワードファーロングの映像が本作の価値のほぼ全て❤️
 マジ映像技術の進歩って凄いと思う。

 賛否両論あるとか、無いとか?双方の言い分も分かる気がする。「正統後継作品」というセールスワードを重視する原理主義的な見方や、「シュワ&ハミルトン出演」に惹かれる懐古主義的な立ち位置だと批判的になりがちかも知れない。こう言う人たちは「◯◯であるべき」の要求が強いし、それが叶わないと批判するだろうから。
 単純に、画面(スクリーン)に映し出された映像だけで評価すれば、佳作だと思う。製作の経緯・過去に目を瞑る、種々のネームバリューに囚われない、連作の一部ととらえず単品で鑑賞する、など期待(制約)を削ぎ落としていけば本作の評価はソコソコレベルに踏みとどまると思う。

①未来から刺客と護衛がトんでくる
②追いかけっこする
③追い詰められる
④開き直って迎撃
⑤ラスト
 つまるところ、ターミネーター式文法ってこれの焼き直しであって、ココから外れてしまえば最早ターミネーターを名乗ることができないくらいの呪縛だと思う。
 だから、この文法の中で観客を驚かす仕掛けや映像表現が無ければ「飽き」が勝って興行収益が伸びないということなのだと解釈すると自分には納得性が高い。つまり、最恐追跡者が最強ではないが心強い護衛に転身する、最恐レベルの追跡者のスキルが頑丈から破壊不能にバージョンアップする、という「1」を踏み台にした「2」のアイデアのレベル差を凌駕できたか否かが続編たちの評価と正比例するのだろう。レベル差が小さいと評価も芳しくないよね。
 本作は正統派を名乗るだけあって、ほぼ綺麗に文法をなぞっているし、逆に言えば「2」を超える圧倒的な要素に欠けているとも言える。つまり観てる最中に「飽き」てきてしまうんだね。そして細かい部分に説明不足がてんこ盛りだから褒める人より不満を口にする人が多数派になるであろうことは容易に想像できてしまう。残念。

 今後のことを考えると、興行的には成功確率低そうだから、「謎の少佐」とサラが知り合うエピソード(クライムサスペンスで)や、シュワちゃん苦悩の日々編(ロードムービー風で)など詰めの甘さからくる疑問や興味を元ネタにして、金食い虫の続編路線を止めるという2つの軸で、スピンオフ作品を作っていってくれないかなぁ。スピンオフなら文法踏襲の縛りも無いでしょう?
 僕の望む映画には「作りたい情熱」と「作品への愛情」と「伝えたいアイデア」の総量が重要であって、投下してもらえるお金の量は4番目か5番目に考えれば良い程度の重要度しかないので。誰か〜、低予算活劇得意な監督さん、本作からネタ拾って面白い作品作って〜🙇
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