とり

ターミネーター ニュー・フェイトのとりのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

あの奇跡の超絶名作だったターミネーター2の正当な続編とか堂々と名乗らないで欲しかった。
これはひどい。ファンへの裏切り、ひどい仕打ちだと思いましたよ。
二次創作のお遊びですよーって位置付けだったら、気持ちを切り替えてアクション映画として楽しめたかも。いやむしろ観なかったな。

思えばターミネーター3から毎度毎度失意のどん底に叩き落とされてきたし、その都度心のなかで折り合いをつけてきたけど、今作はシリーズイチで有り得ない脚本。
もう悲しさとせつなさと怒りのメロディが流れちゃいますよ。
サラ・コナーのむき出しの怒りに同調しちゃって、本編そっちのけ。
せっかく再登場させたシュワちゃんも全く嬉しくない作りでひどすぎる!

なんで殺しちまったんだージョン・コナー!しかもワクワク感でいっぱいのオープニングで!!
ジョンのためにどれだけの人が犠牲になっていったか。カイル・リースの存在全否定!ジョンはどこかでひっそり暮らしてる設定じゃダメだったんですか。
現代にT800が残ってる&ジョン死亡の時点で人類バッドエンドシナリオが続いてるはずなのでまず脚本がおかしいよ。
しかも殺っちまったシュワがなんと人間ライフを満喫してらっしゃるだと。擬似サラ親子と幸せっぽいとかおかしいやん。サラ哀れ。
アイツはどこかの廃屋で無味乾燥ぎみに人目を忍んで潜伏してるべき。カーテン談義とかしちゃって寒いぜよ。

スカイネットもなかった事に。まぁこれは危機を回避した結果としていいとしよう。代わりにリージョンとかいう何のトキメキも湧かない団体さん台頭。2であの悲しい最期を遂げたサイバーダイン社の設計技師さんまで全否定!無駄死に!
結果、サラ・コナーは本物の妄想癖の激しいイカレババアに。本作では改造人間女性にうるさく説教までたれる老害っぷり。痛い。
そもそもターミネーターを何体も倒してきた説に無理がある。T800クラスならなんとか倒せるかもしれないのか?いや~一人で倒すの無理っしょ、何体も。
リンダ・ハミルトンの怪演っぷりと私の感情が見事にフュージョンして、早々に本作の本筋がどうでもよくなってしまいました。そもそも何で戦ってるんだっけ⋯ああメキシコ娘か、どうでもいいかなーみたいな。最初から最後までもやもやもやもや。

結末もおかしいところがいっぱい。
超ハイテクロボ2体、強化人間1体、散らかりまくってます。2のラストでシュワが溶けていった意義までガン無視。
あの後サラとメキシコ女でせっせと溶鉱炉に放り込んだという解釈?
そもそもジョンを殺ったこのT800はいつ来た設定なの。2で未来を変えた後とは思えないから、早々に到着してずっとジョンを探しまわってたドジっ子だったんでしょうか。

カーチェイスはかなりの力作で楽しめたけど、既視感がすごい。全体的にそうで、1と2からのオマージュ?なんか違うな、セルフパロディ?パクリ?そういうシーン満載。
分裂ターミネーターは良かったな。分身の術みたいな絵的な面白さもありました。でもしつこさ演出はいまいちでした。
私だったら分裂アイデアはラストバトルでも使いたいな。バッテリーでとどめを刺す瞬間に分裂、半身がシュワと融合してあしゅら男爵とかジキルとハイドみたいに一人舞させる。サラを殺そうとした瞬間バグって一緒に暮らしてた擬似親子の顔に見えて、おおおーって溶鉱炉にダイブ!自己犠牲感が強く出るからサラも私もちょっと溜飲が下がる。はいボツですね。

あのテーマ曲の落ち着いたアレンジを聞きながらのエンドロール中、悲しみでいっぱいでした。正当続編の冠は外してください⋯。
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