クロスケ

パンとバスと2度目のハツコイのクロスケのレビュー・感想・評価

3.9
【再鑑賞】
特に奇を衒ったことをするわけでもない、扱われる題材もテレビドラマとさして大差はない。
ここ数年の今泉力哉の売れっぷりは、おそらくそうした一見、清廉潔白・人畜無害な作風が関係者を安心させるからでしょう。

ただ、そんなこととは無関係に、彼の映画は立て続けに、何度も観れてしまう不思議な魅力があります。
市井の人々の些細な出来事を、シンプルかつ的確なショットで切り取っていく手つきに気負いは微塵も感じられません。ややもすれば、あざといと感じてしまいそうな演出も不思議と気になりません。
安易な表現になってしまいますが、これはもうセンスが良いとしか言いようがない。こういう普通の物語を、普通に撮れるということが、今泉力哉の最大の強みだと思います。
クロスケ

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