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マリア・ブラウンの結婚のmoMoのレビュー・感想・評価

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)
3.3
爆発のシーンで始まり、爆発のシーンで終わるところが印象的。
また、オープニングでスタッフロールの赤い文字が画面いっぱいに現れるところ(爆発音が鳴り響く中)なんだか、血を連想させるようで、感動した。お洒落だなあ。
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マリアブラウンは戦争から帰ってこない夫を一途に待ちながら、「結婚」という契約を重視し続ける。(結婚に囚われていたとも言える?)→強い女性像ではあるが、それでも結婚にはすがりついている。今でこそ強い女性=一人でも自立して生きていく女性 のようなイメージがあるが、当時は違ったのか。
ここから、当時の結婚観が垣間見える。当時はやはり、結婚は◯女性にとってすごく意味の大きなことだったのだろう。

マリアにとって、男性の欲望対象になることと、自己実現は異なる。

マリアブラウンは重視強い女性であり続けようとするが、私的にマリアは本当は弱い部分も沢山あったんだと思う。戦後ドイツという、混沌とした、冷たく過酷な状況で強くあろうとすることで自分を保っていたのだろう。

夫がカナダへ行ってしまってからは、マリアは人が変わったようになり、他人にきつく当たったり、酒やタバコに溺れる。→ここでこれまで保っていた彼女の冷静で知的な部分が崩れる。
ここから彼女は本当は繊細で弱い部分があったのではと感じた。

ヘルマンは出所後、マリアを置いてカナダへ去るのだが、「俺が人間に戻ったら二人で暮らそう」というようなセリフを言ったため、私は彼がPTSDかなにかで気が滅入っていたのか?と思ったが、一人の女性として自立するマリアに対して当時の男性観を持つヘルマンは違和感?つまらなさ?を感じていたのか?(マリアは他の男とも関係を持つ。仕事もバリバリこなす)
カナダから帰ってきても、興奮してソワソワするマリアに対して、ヘルマンはどこか冷静でよそよそしい。口数も少ない。なぜ?違和感。

最後マリアが爆発を選んだ理由?
・理想である結婚生活を手に入れた途端、虚無感につつまれた

・「結婚」という契約を大切にして、愛してきた夫が他の男(ボス)に自分を売るような行為をしていたことが発覚し、絶望とともに自分が信じていたものの馬鹿馬鹿しさや虚無を感じた。

でも…マリアも黒人とか他の男と関係持ってたし、マリア可哀想とはあんまり思えなかった。ヘルマン以外の男には一切恋愛感情持ってなかったのか???ヘルマンを「愛し」他の男は「好き」だったとしてもそんなん言い訳にしか思えない笑
メンヘラなの?

ただ、マリアブラウンが戦争や戦後ドイツに翻弄された一人であることは事実だろう。

「マリアブラウンは戦後ドイツを表す」→どういう事だろう…
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