ゆう

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のゆうのレビュー・感想・評価

2.3
大人になったルーザーズ。
大人ならではの、過去のトラウマ、偏見や差別、夫や仕事関係といったものが、恐怖の対象に成り代わっているのが面白い。
そして、幼少期とは違いその恐怖を拭い去るのがとても困難であると言うことも。

前作と比べ、おっさん達のジュブナイルとあって少しトキメキに欠けるものがあった。前述した悩み・恐怖も陰鬱ですし、儀式に向けた動きの説明がやたら概念的・抽象的でとっつきにくい。

あと、スタンリーを死なせる必要があったかなぁ〜という胸のつかえもずっと残りっぱなしだった。
自己犠牲の精神は立派だが、前作で1番臆病だった彼が、恐怖に打ち勝つ事が何より意味のある事だったんじゃないかという思いが消えなかったですね。

また、ヘンリーの死が凄いカジュアルに描かれているのも違和感でしたね。
父親殺しであり、命を狙われていたという理由はあるものの、それこそ人を殺めてしまったという恐怖は今後ついて回るもんじゃないのか?

団結して恐怖に打ち勝つという、現代社会に当てはめてみても、刺さるテーマ性は評価出来ますが、戦争帰りの兵隊さんが、人を殺めた事でのPTSDに悩まされているなんてのは良く聞く話で、そういった事が蔑ろにされているようでどうも腑に落ちなかった。

ペニーワイズさんも、幻覚見せれて、姿形を変容させる事ができて、物理攻撃も可能とかなり最強キャラであるにも関わらず、全然人殺せねぇなというのも何かね。

ヴィランのスピンオフ作品なんかも多いし、ペニーワイズの誕生秘話なんてのも描いてほしいもんですね。殺しの動機とか、バックボーンがイマイチ分からなかったし。
ゆう

ゆう