よーだ育休中

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

3.5
1989年の惨劇から27年後。デリー運河祭の会場付近に架かる橋でバラバラ遺体が発見され、橋脚にはCOME HOMEというメッセージ残されていた。唯一町に残っていたルーザーズクラブのメンバーMike Hanlon(Isaiah Mutafa)は「それ」の再来を確信。かつての仲間たちに招集をかける。


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◆ I dreamt of you.

ホラーの帝王と称されるStephen Kingの代表作である同名小説を映画化した作品の続編にして完結編。13歳の過去と40歳の現在を交互に描き進める原作小説とは異なり、映画化作品においては前作『IT』で主人公たちの青年期(1989年)を。今作『IT CAPTER TWO』で27年後にあたる2016年のデリーを舞台として描かれています。

とはいえ、原作の設定通り、呪われた街デリーから離れて暮らしていたメンバーたちはデリーで過ごした過去の記憶が抜け落ちているため『IT CAPTER TWO』でも時折1989年の過去パートを差し挟みながら(回想しながら)物語が進んでいきました。

物語の骨子自体は非常にシンプル。幼少期の記憶を無くしたメンバーたちが呪われた地デリーで再開。徐々に蘇る記憶を頼りに《自分の本当に弱い部分》と向き合うべく個別に行動する。そこへPennywise(Bill Skarsgard)が例によって驚かせに現れる。最後は二ーボルト通りの古屋敷からデリーの地下(下水道と給水塔)に潜って「それ」を撃退する。映像は前作を上回る迫力がありましたが、やはりプロットそのものは前作と似ています。原作を知っているか否かで賛否が別れる所でしょうか。

小説で印象に残っていた《成長したBeverly Marsh(Jessica Chastain)が当時住んでいた部屋を訪れるシーン》や《青年時代のRichie Tozier(Finn Wolfhard)が町のポール・バニヤン像に襲われるシーン》などはハラハラする映像に仕上がっており、原作小説を映像化した作品ならではのお楽しみも堪能しました。


◆ I craved you.

今作において、原作と雰囲気が違うと思ったのは大きく二点。デリーの更に過去の事件(ルーザーズの親世代)に言及されていなかった事と、Pennywiseがやたらとハイテンションであった様に感じた事。一点目は物語の焦点を定めるために敢えて排したのだと思います。二点目は映画化した際の上手い修正点であるように感じました。

27年前の周期の際、ルーザーズから思わぬ反撃を受けてしまい、中途半端な状態で再び眠りにつかざるを得なかった「それ」は、次の周期までの間に《耐え難い空腹》と《屈辱的な恐怖》を募らせていたはずでした。それが故に町を離れたメンバー達を徹底的に蹂躙してやろうと狙いを定めており、その為の手駒として収監中のHenry Bowers(Teach Grant)やBevのDV夫を自らの影響下においたのだという認識でした。

ですが、今作における「それ」は嬉々としてルーザーズにちょっかいをかけているように見えました。27年前の御礼参りというよりは、彼らの帰郷と再開を「それ」なりの悪辣な趣向にて歓迎しているように見えました。画面の奥を横切る演出が多かったですが、ルーザーズが見ていないのに、うきうきと巫山戯て見えるシーンが何度もありました。


◆ I've missed you.

物語中盤のBen Hanscom(Jeremy Ray Taylor)によるサマースクールの回想シーンではまんまと騙されました…。

①亀の置物があるから「それ」は出てこない
②プロジェクターに「それ」の影
③「それ」ではなくBev(Sophia Lillis)
④話している間に「Your hair is winter fire」


ラストの展開は一番修正が加えられていた気がします。ある種の概念的な存在である「それ」に対しての攻防を映像化するのは困難だと思いますが、「それ」の最後の姿と産卵、そして天敵である「亀」の出番はフルでカットされていました。

「それ」を倒す《チュードの儀式》は、今作のような原住民のまじない然としたものではなくもっと痛みを伴う通過儀礼的なニュアンスが強かったはずです。謎の壺を使った魔封波的な儀式に成り果ててしまったことは残念。前作『IT』では《チュードの儀式》について言及されていなかったので、上手いことショッキングな《チュードの儀式:性交渉を通じて仲間の心を一つにし、敵と互いの舌を噛み(chewed)合う》シーンをカットしたのかと思っていたのに。これだと「青年期にはチュードの儀式をやっていません」と公言してしまった様なものでは…。


様々なオマージュが捧げられていた点は映像化作品ならではの見所。ニーボルトストリートの古屋敷に再び足を踏み入れてからは『未知との遭遇』や『シャイニング』を彷彿とさせるようなシーンがあったり、相変わらずのお化け屋敷感があったり。『ポメラニアン』の登場で自己完結するネタがあったりと、びびりながらも面白く視聴しました。

ラストはロープレのラスボスシーンみがあって、これはこれで新しい要素が加わったと思いますし、エンタメ作品の解としてはありだったかなと思います。


ーLet's kill this fucking clown!


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Dear.Sakiちゃん

なんとか無事にデリーから帰ってこられたことを嬉しく思います(꒪꒳꒪ )
振り返ってみればジャンプスケアは少なかったけど、「くるぞくるぞ…」ってじわじわ煽ってくる感じが余計な想像を掻き立てちゃって、本当に心臓に悪かったε-(´∀`; )