NEPPY

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のNEPPYのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スティーヴン・キング原作繋がりもあり、1作目から“ホラー版スタンドバイミー”と言われていましたが、お恥ずかしいことにスタンドバイミーを未だに未見のわたしはグーニーズを連想していました。

目が似ていることを一番に配役された27年後のルーザーズのキャスティングは最高で、ぱっと見てすぐに「あ、あの子だ」とわかってしまうほど。
それぞれが大人になって、それぞれの人生を歩んでいる。

冒頭の遊園地でのゲイカップルが絡まれて暴行されるシーンは、最後リッチーがゲイだとわかった瞬間に途端に意味を持ち出して、それは現在ですらあんな偏見に満ちた田舎町なのに、27年も前にあの小さな町でゲイだなんてオープンにすることはとても出来ず、リッチーはずっと心の葛藤を抱えて生きてきたんだなあと言うことでした。
ペニーワイズから指摘されていたリッチーの本当の秘密とはそれのことなんだろうなとも思います。結局ルーザーズのみんなにも明かせてはいないだろうけれど、1作目から気がつけばリッチーとエディは隣にいることが多くて、側にいたみんなはリッチーにとってエディが特別な存在だったことはよくわかっていただろうな、って。

1作目では、12歳のルーザーズが持つ“恐怖”をバンバンぶつけてきて、子供たちの恐怖心やら、自分の心の奥底にある子供の頃の恐怖の記憶を擽られるようで、終始めちゃくちゃ怖かったんですが、今作ルーザーズが戦うのっておばけとかピエロとかみたいなそういった漠然とした恐怖ではなくて、自分の忘れたい過去だとか、葛藤だとか、そういった類のものなんですよね。
27年間街から離れ、街に置いていった子供の頃の記憶。ルーザーズクラブだからこそ、みんなが抱えていたそれぞれの闇。
街から出ると、街での記憶が薄まってしまうのと同じに、ペニーワイズも街の子供たちのことは知り尽くしていても、街から出てしまうとわからなくなってしまうのかなとも思いました。だからペニーワイズがぶつけてくるものも子供の頃の記憶なのかなって。

ペニーワイズも、無差別に子供たちを狙うわけではなくて、そういった何かしらの闇を抱えた子を中心に狙いをつけているんだろうな。恐怖を大きくした方が美味しいみたいなことを1作目で言っていたような…?(うろ覚え)

結局ペニーワイズ自身が何者なのかっていうのが完全に明かされたわけではなかったので、それだけがほんの少し惜しいなと感じているのですが、あんな感じの悪魔のような存在は何百万年も昔から存在していたことはわかったけれど、それってはじめからペニーワイズではなかったわけでしょ…?って。(一度封印されているわけだし)
死の光自体が本体で、ペニーワイズはただのピエロであり父親だったのだろうけれど、何かをきっかけに死の光と出会いその力に惹かれて侵食されてあんな存在になったのかな…と勝手に想像していました。
じゃないとあの老婆とか家族写真が登場した意味が無くなっちゃうんですよね。

バワーズは闇を抱えていて尚且つ暴力的な面が大きかったから、ペニーワイズに利用されていたわけですが、あそこで死んでいなかったら次のペニーワイズはバワーズになっていたんじゃないかな…とも。


ルーザーズクラブ全員大好きなんですが、個人的に1作目から一番好きだったのがスタンで、でも冒頭で早々に死んでしまってすごく悲しかったんですが、最後の最後にはやっぱりスタンはスタンだな…。って好きだなあと思うことが出来たので良かったです。
ペニーワイズとの戦いのあと、デリーの街のウインドウに映ったルーザーズクラブがちゃんと7人揃っていたのは泣きました…。
ルーザーズは27年経ってもあの日のままで、7人の友情はずっと変わらないし、取り戻した自分たちの未来を生きていくんだなって。

子役のルーザーズが大好きだったので、今作でもたくさん登場してくれて本当に嬉しかったし、最高だったなあーってずっと余韻に浸ってます。
あっという間の170分でした…。

ディスク出たら1と2セットで買うぞー!


そういえばポメラニアンも笑ったけど、ベバリーのシーンがめちゃくちゃシャイニングだったの一番笑いました 笑
NEPPY

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