すがり

IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のすがりのレビュー・感想・評価

3.7
ここまで映画館で映画に集中できなかったのは初めてでした。
感情は映画に入れなくてはね。
とはいえ以前に旧版を観てあったので、話の流れが分かっていることが助けになりました。

原作は読んでいませんが、旧版の後編があの感じだったのに対して考えればいくらでもこちらの方が好みです。
それは前編の時にも感じたことですが、今回のリメイクでは登場人物の機微の描き方がとても丁寧で単純なホラーで終わらせていません。

常々、単純に「怖い」ということが好きな場合はホラー映画って合わないんじゃないかと思っています。
サムライミがあのスパイダーマンを生み出すように、怖いという感覚は人間のあらゆるものに繋がる根源的な中継点になり得ます。
それを上手く使えると例えば今作のような映画も生まれてきて、ジャンルという枷をつけるなら主にホラーに位置付けられますが、主にという分かりやすさでしかないわけです。

その点からも最終盤のペニーワイズの言葉がとても印象的でした。
旧版と違い、前編を丸ごと使って子ども時代を描いた意味がある。
ホラーの帝王スティーヴンキングのホラーには正しく中継点としての機能があるということを認識させられます。

こうやって子どもを描かせたら本当に素敵。
自身の持ってる子どもの雛形につまりスタンドバイミーがあるって強すぎる。

それでも恐怖としての表現も随所楽しませてもらいました。
ペニーワイズに関してはもはや愛くるしいキャラとしての印象が強すぎるのと、ビルスカルスガルドがイケメンすぎてほっこりしかできなかったけどね。
自分にとっては相対的とはいえ、27年ってでかい。

全然集中できなかったけど、書いてみたら意外と楽しめてたみたいで良かった。


にしても見ましたか、彼。
子どもエディのジャック・ディラン・グレイザー。
前編からずっと思ってたけど、顔つきとか演技とかほとんどスティーヴカレルじゃあありませんか。
それ前提でもう一度前編みてほしい。
大人にはちょっと期待してたんだけど違う人でしたね。
バッチリでしたが。
すがり

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