tosyam

拳銃0号のtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

拳銃0号(1959年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

妖刀ならぬ妖気ただよう拳銃をめぐる人間模様。表現主義な画面設計とモダンジャズが物憂くながれる音響設計は完璧にフィルムノワール。なんだけどアレアレってかんじになってって不思議な和製ヌーヴェルヴァーグ作品と化していく。拳銃くん。大量殺戮に使用されないところもリアル。かといってすぐに届け出られるわけでもない。そんなところがリアルを通り越して。もはや不気味。ホラーな雰囲気さえ作品全体にただよいはじめる。いや近未来sfか。群像劇っぽくもありエピソードのつみかさなるオムニバス劇っぽくもある。ムンクの有名な吸血鬼って絵がでてくるけれども。ポーの怪奇小説のように筋があってないがごときストーリーでとにかく世紀末かつ退廃なかんじでスゴイ。ルイマルの鬼火のよう。
tosyam

tosyam