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若き魂の記録 七つボタンのmhのレビュー・感想・評価

若き魂の記録 七つボタン(1955年製作の映画)
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軍事教練を題材にした映画には、戦前だとプロパガンダで、戦後は反戦というテーマが付与される。これは後者の中の一本。
中盤までの予科練生活の再現が素晴らしかった。実際の兵学校を撮影した、戦中のプロパガンダ映画並みの再現率だ。
おおきく「厳しすぎる班長も、実は生徒のことを思っていた」という展開だと思うんだけど、三國連太郎があまりにも厳しくてイカれてるようにしか見えないのは、視点が現代だからか。
シゴキでひとり殺してからの、強烈なモラハラは見ててきつい。
そもそも、大人が子どもを虐げているという状況なのでなおさらだ。
飛行機がないから、全員、回天行きとなる終盤の展開が思い切っている。いよいよ出撃だけど、日付は八月十五日となっている。無駄な特攻で死ぬことでさらに無力感を演出をするのかと思ったら、直前で終戦となって無事だったというプロットだったみたい。
リアリティはないんだけど、物語としては満足度が高いという、変なバランスの映画だった。
面白かった。
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