わだげんた

ペット安楽死請負人のわだげんたのレビュー・感想・評価

ペット安楽死請負人(2017年製作の映画)
3.0
久しぶりに東京国際映画祭参戦(^_^)

なかなか触れる機会がない映画観られるいい機会。
今回はあまり馴染みがないフィンランド映画です。

ざっくりしたプロットは。。。

愛犬を殺された男の復讐の物語。

ジョン・ウィックと一緒じゃん! ってなりますが(笑)、全然違う話。当たり前ですよね。何から何まで全く違います。

動物の安楽死を請け負う男が主人公。この男、正義感が強く、曲がったことが嫌い。仕事を請け負うときも、もれなく説教します。もちろん相手に罵声浴びせられますが。

そんな中、依頼を受けたもののどうしても殺せない犬を自ら引き取ることに。

一方でこの男の父は末期の病で、延命措置を受けてます。父はとっくに生に執着がなくなってますが、頑なに延命措置を続けます。そう、何かに復讐するかのように。

父を看てくれてる看護師さんとやがて、恋仲になる男。

生命をギリギリのところに毎日接している二人のセックスはとってもインモラル。命の奪いあいのような性交を重ねます。

そして、やがて訪れる崩壊の日。原因は殺せずに引き取った犬。

安楽死にこだわった男に訪れる皮肉な運命とは。。。

ってお話。

この映画のタイトルと内容を見たときに、フィンランドって動物の安楽死とかが日常なのかな、観ていい映画なんだろうか? って、ちょっと思いました。

同じような事を考えてる人がいたみたいで、本編上映後の監督と主演男優さんへの質問コーナーでその旨、質問されてる方がいました。

『日本では動物の安楽死を0にする動きがあるんですが、フィンランドではどうですか?』と。

監督は最初、意図と違う答えをしました。なぜなら、フィンランドでは飼い犬を安楽死(処分)させること自体がまともな人なら考えられないから、日本みたいなことあり得ないと思ってたから。

日本の状況を説明すると心底びっくりしてました。

そうか、考えてみたら映画の中で安楽死を依頼してくるやつは頭のおかしいやつばかりだ。まともなやつは誰もそんなことはしないんだ。

だからこそ、ダークストーリーとして成り立つ。
日本だとペットを安楽死させる商売成り立たないですよね。だってお上がやってくれるんだから。

日本のように、一見普通の人が(飼えなくなったとか、飽きたとかの理由で)ペットの安楽死を選ぶ人がこんなに多い国はないんだろな。。。

そこが一番衝撃でした。映画っていろんなことを教えてくれますね。。。
わだげんた

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