これは 鑑賞というより ”解釈“という観点において ホント一筋縄ではいかない仕上がり
どこまでもノワールな作風を呈しつつ
猟奇殺人というミステリーの要素を上手く落とし込んではいるものの
どうも 作り手の意図は もっと社会的な描写に 端を発してる気がする
香港返還を契機に 急速な発展の道を突き進む国家の中で 時流の傍に逸れた労働者達の困惑
劇中の”今年は殺人事件ばかり起こる“という台詞から垣間見れる 不穏な世相
その言動からは 好奇心とは反比例して 向上心ゼロに見受けられる主人公の 内に秘めた名誉欲
”夢から醒めないのは貴方“
自殺する女が遺す言葉と 降りやまない雨粒
さまざまな重みは もはや経済大国となった中国の空に 未だのしかかってるようだ
発車できないバスに乗り込む男は 何処へと行けるのだろう
ドン・ユエ かなり先が楽しみな監督だなぁ