Hideko

負け犬の美学のHidekoのレビュー・感想・評価

負け犬の美学(2017年製作の映画)
4.0
原題: Sparring

格闘技が(もちろん見るのが)苦手で、映画もその系統の作品はほとんど観たことがないです。『ロッキー』しかり、『ミリオンダラー・ベイビー』しかり…。

しかし本作は格闘シーンが少なく目を背けず鑑賞することができました。

いつも思うことですが、映画のタイトルも作品の一部であると思うので、この邦題は如何かと…。引退間際であるスティーブは負け犬なんかでは決してありません。

競技人生の勝率は決して高くなかったけれど、その経験から多くを学び、良き夫、良き父親である彼の家族に向ける眼差しのなんと温かいことか。

最終戦で妻が「踊って」と言葉を投げかけますがリング上で「踊る」という声援はなかなか聞かれないのではないかと。妻も子どもたちも父親の奮闘を心から応援し楽しんで欲しいと望んでいることがわかります。

ピアノを習っていて、パリでの勉強を望んでいる娘。その娘が発表会で弾く曲がショパンの『ノクターン』第2番。その美しい旋律が胸に沁みました。

父親のスティーブ、どこかで見たことがあると思ったら、なんと『アメリ』でアメリの相手役であった俳優さんマチュー・カソビッツ。

Time Flies...😌
Hideko

Hideko