芦口善彦

負け犬の美学の芦口善彦のネタバレレビュー・内容・結末

負け犬の美学(2017年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます


成り上がる話ではない。人生の一歩を新たに踏み出す話だと思った。
貧困だけど、ドン底じゃないやん。素敵な家族で、素晴らしいお父さんなんやから。子供の才能を潰してたまるかっていう貪欲さもよかった。
ボクサーとしては負け越したパッとしないけどさ。最後は持ってる人に認めてもらった勇敢なファイター。ボクサーでも生活でも、闘い続けてる人は負け犬と呼ばない。

最後の試合で、打たれ強さが得意と言っていたインファイターのスティーブが、舞ったんですよ。リングの上で踊ったんです。号泣。

最後の笑顔に全部持ってかれた。さらに号泣。

エンドロールも良かったな。

敗者がいてのチャンプだろ。
この言葉は痺れた。スラダンの泥に塗れてろくらい痺れた。この言葉を聞いて、負け犬の遠吠えやんって感じる人とは一生分かり合えないし、わかり合いたくもない。負けた人にしかわからない景色もあるのだ。そこからまた一つ一つ這い上がればいいのだ。

いつもながらに語彙力がないけどいいのだ。個人の感想なのだから。
芦口善彦

芦口善彦