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負け犬の美学のtoaのネタバレレビュー・内容・結末

負け犬の美学(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

娘のために身を粉にして頑張る落ち目のボクサーの話、と言ってしまえばそこまでなんだけど、良かったです。

特に、覗き見た練習試合のリングでタコ殴りにされる父の現実を見つめる娘の眼差し。そこからの帰り道の無言の車内の何とも言えない空気感。映像ではたった数分だけど、声にならない感情の発露が見事だった。
お喋りな人が1人もいない。わずかな台詞や表情で、周り人達の心情も推し量れるし、地味なんだけど、足掻く人間たちの哀愁と意地がじわーっと。
愛情の表現ってさまざまで、まっすぐ返せる事ばかりでもなかったりして、その点、この父は幸運だな。
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